声を出してはいけない…

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稼業のせいか、我が店には時おり変わった体験をされた方が
　来店する。
　
　４０代　専業主婦の病院での体験




　彼女は耳鼻咽喉科だったが、がら空きなので産婦人科病棟の大部屋に
　他科の女性たちと一緒に入っていた。

　二日目、慣れない生活と利きすぎるクーラーのせいで風邪をひき
、夜間に発汗のせいで脱水状態になった。

　売店で買っておいたスポーツドリンクを飲み、熱に浮かされては
　いたが、なんとか発汗も治まり、手洗いに行った。

　手洗いに行く途中、正面にサンルームが見える。


http://www.sprasia.com/photo/toranko/2008112110195...引用
写真はイメージです。


　そこに……三人ほど女性の幽霊が溜まっている。
　　　　　　　　　




　じつは彼女は何度も目撃、というか知っていて無視していた。
　『またか。』
　なぜかふと、口の中でそう言ってしまった。

　なぜ、そんな危ないことを言ったのかいまだに不思議だが
　熱のせいだったのかも知れない…

　その瞬間。
　ジロリ。女幽霊三人がこちらを同時に見た。

　『ヤバイ……！』と思った。

　だが、幽霊たちには悪意もないし、そこから動く気配もないので、
　用を足してそのまま病室に帰った。

　悪寒も発熱も収まり、やっと眠れると思った時。
　左下腹部が痛烈に痛くなった。
　場所は『左の卵巣』。ヤバイ！

　もしかして、口にしたことで気づかれたのか！
　しかし、この仕業はあの三人じゃない！　
　誰？ どこに居た？

　『憑いてもどうにもならんぞ！　離れろ！離れろ！離れろ！』
　思い出してもわからないので、そう言ってみても離れない。

　隣のお婆さん。気が付いてくれ　お塩で清めてくれた。
　何とか離れたのでそのまま眠った。

　何かを見た時、決して声を掛けてはいけない。

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